ミュージック・ヴィディオゥ

ミュージックビデオ

(以下MV)は、必要なものだろうか?

 

20世紀後半の音楽は、ミュージックビデオと一緒に育ってきた。

つまり、MTVの歴史であった。

沢山のMVが作られ、世界中のMTVで放送されまくっていた。

その歴史はプラットフォームをyoutubeへと移し、今でも連綿と受け継がれている。

 

その影でMTVはとっくに瀕死状態になってしまっているらしい。

ちなみに、Twitterのフォロワー数は13万人程度だった。(mikikiは11万くらい、luteのインスタも13万くらい。)一応、フォロワー数の上ではSNS時代のメディア達と肩を並べているが、現状は見るも明らかだろう。最後にMTVの話題を聞いたのが、いつのことだか分からない。(それとも僕の周りだけ、局所的に存在が希薄なのだろうか。)

 

そうしてyoutubeへとバトンが渡されることにより、誰でも作品を披露できるようになり、撮影機材は大きさもコストもぐんぐん下がり、誰でも動画編集まで行える時代になった。最高の環境下でMVの数は爆発的に増えていった。

 

喜ばしい事でもあるが、同時に無為なMV大量に量産されているように思う。

「とりあえず」で作れる時代になってしまったので、「とりあえず」作ってみる、という状況に陥ってしまっている。それでも、アマチュアのバンドにしてみれば、夢のような状況かもしれない。テレビの中で見続けていた、MTVやyoutubeで沢山見てきた、「あの」MV。それも自分の。嬉しくないわけが無い。何本だって作りたいはずだ。

そうしてできあがる、それっぽいMV達が山のように転がっている。(山は転がらないか。ゴミはさすがに言い過ぎだし、なんて言えば(略))

 

もちろん、ただの自己満足や、記念程度のものであれば、全く問題ない、というか、どんどんやっていくべきだと思う。なにかを作るのは楽しいから。

(または、自分たちの中でちゃんとした作品と位置づけている場合も、全く問題無いというか、誰かがどうこう言う話ではない。)

 

だけど、それがもし自分たちの曲や、グループをブランディングしていくための”手段”としての結果であるならば、この選択肢を一度疑って見るべきでは無いかと思う。

例外として、

・自分たちのイメージや世界感が、これでもかというくらい固まっている。

・潤沢な資金があり、独立した映像作品としておもしろい。

・ステキなアイデアがある。

・とてもセンスのいいAD的役割を担える人がいる。

他にもあるかもしれないけれど、この辺のどれかを満たしているのであればとても有意義なモノが作れるのでは無いか、と想像する。(もちろん、センスに関しては、自分たちで満足していれば問題無いけど。)

 

しかしどれも満たすことができず、低予算でそれっぽさだけを追求していくと、本当に無駄なものができあがる。ある程度知名度のあるバンドでさえ、そんな無味無臭で、とくに感想も沸いてこないようなものを作り続けているように見える。

たしかに、今までは、ミュージシャンが曲を作ったら、必ずミュージックビデオを作る必要があったのかもしれない、でも本当にいまでもそうなのだろうか。

 

 

僕は、の様子を撮影し、youtubeなりにあげていく、というのが有効な手段の一つであるように思う。

▼モノ<体験ベースの消費が好まれ、CDの代わりにライブが売れている。つまり、自分たちの宣伝メディアもライブの良さを伝えるツールとして使用するべきではないか。

▼仮に↑で考えてみると、実際の演奏をそのまま撮影したスタジオライブのほうが自分たちの実力も、魅力もダイレクトに伝えられるのでは無いか?(良くも悪くも)

アートディレクションに注力しまくる必要がないので、曲や演奏のクオリティに時間もコストをさく事ができる。

▼本当のライブだと撮影も録音もそこそこハードルが高い。

▼たぶん定点だとつまらないから、その分撮影がむずいので、敷居が高い。しかし、そのほかの有象無象と差別化を図れる。

▼しかもMVを作る資金で、同じように外部委託できる。はず。

▼あとVJの友達がいれば、おもしろいコトできそう。

その他諸々

 

まあごちゃごちゃ書いてきけど、個人的にスタジオライブの様子が好きってのが大きいな。(それしか無いとも言えるけど)

スタジオライブそれ自体が限りなく正解に近いとは思わないけど、適当なくそダサいMVを作るくらいだったら、スタジオライブのほうが有効だと思う。スタジオライブがダサかったら、そのバンド自体も(ライブにおいては)ダサいってことも判明するわけだし。

逆を言えば、演奏や歌じゃなく、雰囲気とか、ビジュアルとか歌詞が武器であればMVはとても有効なんじゃなかろか。あとお金が沢山あって、女の子がめっちゃかわいい映像を作って、それ目当てで来た人で視聴数稼ぎまくるとか。

 

結局何が言いたいかと言うと、今の時代において、ミュージックビデオだけが選択肢じゃないから、自分たちに合った選択をとったらいいと思います。