パンツと靴下

とても長い週末だった気がする。

土曜日は夕方から渋谷のWWWXでエルメート・パスコアールを見た。
あんまり予習していなかったけど、ざっくりラテンでブラジルなジャズでした。いわゆるパスコアール像として、楽器以外の、例えば瓶とかヤカンを駆使して素晴らしい演奏をするステキなおじいちゃんのイメージが強かったので結構普通に(ものすごいレベルの)演奏しているもんだからまあそうだよな、と。

 


Hermeto Pascoal - Música da Lagoa


川の中で瓶や笛を吹いたりする御大。この動画がいつのものか判らないが、現在なんと81歳で普通にソロとったり叫んだりできるんだからすごいよな。

 

その後、秀平、森さん、まおさん、るみちゃん(卒業ぶり)と神泉で飲む。食べる。飲む。久しぶりにしっかり酔っ払った気がする。「あの人は変わっちゃったよね」みたいな話や、結婚を現実的なものとして考えたりしている人の話を聴くと、自分の相変わらずさに少しだけ不安になってくる。といっても、変化したからこそ話題に出るのであって、話題に出なかったその他大勢の共通の知り合いは、みんな大した変化を起こしていないのだ。(もしくは知られていないだけかもしれないけど。)みんなでゆっくり変わっていけば良いのではないか。良くないか。どんな形であれある程度の変化は価値であると思っているので、とりあえずこんどユニクロ以外でパンツと靴下でも買ってみようかと思います。みんなどこで買ってるのさ、パンツと靴下。

その後下北の乗り換え途中にかんとえりささんに遭遇し、なし崩し的にかんの家に。チャイルディッシュ・ガンビーノのThis is Americaとvrのエロゲとヴァーチャルユーチューバーとデジモンメダロットの話をした気がする。デジモンの最初期の映画はやっぱり名作でした。結局3時頃までだらだらしてしまい仕方なく歩いて帰る。タクシーの誘惑を断ち切ることができたのは我ながらとても偉かったっス。

 


日曜日はお昼過ぎから新木場コーストで菊地成孔主催の〈TABOOレーベル〉のレーベルイベント『GREAT HOLIDAY』に。チケットがイマイチ売れていないという話だったので、空いてるかと思ったけれど満員御礼ぎゅうぎゅうって感じでした。
菊地成孔本人への好き嫌いが分かれることに関しては非常に良くわかるのだけれど、彼の音楽やライブを形作る才能は本当に感服する。「人前に立って芸事をする」ということがいったいどういうもので、どうすればお客が喜び、興奮し、満足するか、ということを完璧に把握している。そして、そのためにできることをぬかりなく行っている。人前に立つ人間は、彼のようにあるべきだなと思います。(もちろん、それぞれのやりかたで!!)ちなみに日本人で同じ力を感じるのは、パッと思いつく限りでは椎名林檎かな。録音作品の善し悪しは別として、ライブのクオリティの半分くらいはここに集約されると思うのだ。そして、その力がもっとも発達した国がアメリカなのだろう。

上記を踏まえと、やっぱり菊地成孔の参加するバンド(ぺぺ、spank happy、DC/PRG)は全部良かった。(JAZZ DOMMUNISTERSはちょっと別)ものんくるは演奏のクオリティもライブ感も全部よかった。正直音源はあんまり聴かないけど、ものんくるのライブは本当に大好きです。
なによりなによりなによりDC/PRGが最高だったので、もうそれ以上無いっていうか、こんな恐ろしいバンドが、一度も流行ることなく20年以上存続していることにある種凄みを感じますな。Twitterで見た「世界中どこに出しても恥ずかしく無いバンド」という意見には心底同意したい。もちろんアメリカを含めて。


dCprG 2015/11/18@新宿BLAZE goes on LEVEL XXX「Franz Kafka's South Amerika」tour2015 FINAL映像

 


2017年0124 新宿BLAZE DC/PRG「HEY JOE」


実際にライブを見ないと、バンドの良さは全然伝わらないとわかりつつも、興味を持ってくれる人が増えると嬉しいので。