〈第九〉

金曜日は『GREAT HOLIDAY』でたまたま再開した樹里ちゃんと、せっかくだからと渋谷に韓国料理を食べに行った。わりに趣味が合うので(キリンじとかKIRINJIとか堀込ズとか、、、)お互いに話がわかりやすいところがある。

土曜は英会話に行き、イタリア人の巨乳先生の授業を受けた。
その後しばらく暇だったので、とりあえず下北で凪のつけ麺を食べる。つけ麺というのはどうしてこう食後の満足度が低いのだろうか。そのくせ(今日はいける気がする、、)といつも変な期待感を煽られてしまう。そしてこれは油そばにおいても同様の現象が起きがちだ。期待感と満足度の不一致。ラーメンだとそんなことは無いのだけれどな。

 

まだまだ時間があったのでどうしたものかと微妙な満足感に疲れていたところ、六本木ヒルズceroがフリーライブをやっているよ、と樹里ちゃんに教えてもらったことを思い出す。
見ていた位置が悪いのか、設備やPAが悪いのか、あの空間自体が悪いのか、それとも全部が悪いのか。とにかく音が良くなかったので、正直よくわからなかった。まあフリーライブだし六本木ヒルズのイベント用のスペースだし、これ以上求める方が欲張りというものだ。ただ、日本のミュージシャンと海外のミュージシャンとでライブを見比べた時に最もレベルの差を感じるのは、演奏技術でも曲のセンスでも無く、音作りやミックスバランスだなとよく考える。前にSnarky PuppyのオープニングアクトとしてOrgami Productionの面々を見たとき、日本の音楽シーンで実力派的な扱いになりがちな彼らでさえもこんなものなのかと相当げんなりしてしまったことが忘れられない。というか、彼らのプレイ自体は特に思うところなく普通にいつも通りライブを見ている感覚だったが、スナーキーの演奏が始まった瞬間、今までの音はどういうことだったのか、と混乱してしまった。プレイヤーのレベルの差なのか、エンジニアやPAのレベルの差なのか。気軽に大きい音を出せる環境が少ないだとか、色々な問題はあるのだろう。裏を返せばまだまだ伸びしろは有るのかも知れない。サマーソウルの時のチルな多幸感が溢れている感じはとても良かったです。

 

夜は下北のB&Bで『さよなら未来/若林恵』の出版記念トークイベントを見に行く。
みんながなんとなく思っているけれどうまく言語化できないところや、社会的な圧力がかかりやすく話を進めること自体「面倒くさい」部分に、彼はしっかりとつっこんでいき、「いやーわからねーなー」とか頭をかきながら、しっかりと時間をかけて言葉に落としていく。そして色々とぼろくそに否定しながらも、最終的には比較的前向きな答えを出すのだ。

 

「日曜日は何をしていた?」と思い出してみるも、「夕方にジムに行った以外、殆ど何もしていなかった。」という寂しい結論に至るしかなかった。その反動もあって不意に思い立ってしまい、夜中に『君の名前で僕を呼んで』を見に行く。(2回目) タイトルは『Call Me By Your Name』でもギリいけたんじゃなかろうかと思う。『コールミー・バイ・ユアネーム』うーん、カタカナはダサいか。やっぱり光の取り入れ方がとても美しく、登場人物は見事なまでに全員が美しく、そしてエリオとオリヴァーの間に生まれた「希有で特別な友情」は、何よりも美しかった。北イタリアの豊か過ぎるバカンスは、2018年において間違いなくユートピアであり、あんな生活が本当に存在しているのか疑わしいレベル。


“Mystery of Love” by Sufjan Stevens from the Call Me By Your Name Soundtrack

今日はだいきゅうを取ったので、お休みです!