トークトーク

久しぶりに体調を崩したので、水曜日は会社を休んだ。
熱と下痢の2点突破のみで気だるさもあまりなく、ひたすらトイレに籠もらなければいけないという以外は、退屈だが充実した一日だった。
病気にかかると真っ先に期待してしまうのは、「食欲の減退」で、多少の風邪程度であれば「今日はちょっと食欲が無い」みたいな状態には決してなれない。それこそ、消化器官をやってしまわない限りは無限に食事を続けることができるので、今回のようなレアケースは確実にモノにしなければならなかった。
今回調子が悪かったのは水曜、木曜の丸二日間。水曜日は食べ物らしい食べ物は一切とらず、本当に水と薬だけでしのいだ。木曜は罪悪感もあり出社したため、エネルギーを摂らねばとウィダー系のゼリー飲料を朝昼合計で4本飲む。そしてこの2日間で2.5キロ程度の減量に成功し、金曜日には完全に体調が戻り、回復に努めねばと一生懸命ご飯を食べ、今朝体重を量ったら3キロ増えていたというのが今回のオチ。

 


土曜日は英会話のレッスンを受けた後、evalaというアーティストの「See by your ears」というプロジェクト立ち上げのイベントにいった。
トークショーの時、僕の左前に座っていた男の子が、しきりに友達とLINEをしているのが見えたのでしばらく眺めていた。男の子はトーク画面を頻繁に入れ替えながら二人の人間とLINEをしており、そのうちの一人はたまたま僕の知っている人だった。


ところで僕は一ヶ月くらい前に、一ヶ月だけ形式的に付き合った(つまり、告白をしてOKをもらったものの、そこから1ヶ月の間は全くなにもなかった)女の子に振られてしまった。「あなたに対して好意はもっているけれど、恋人に対するそれとは違うってハッキリとわかったの。前に好きだった人から久しぶりにLINEがきて、それがあんまり嬉しくって、気が付いてしまった」とのことだった。


もう気が付いていると思うけれど、僕の左前に座っていた男の子は、僕と一ヶ月だけ形式的に付き合い、昔好きだった人からのLINEによってある明確な気づきを得ることによって、僕のことを振るに至った"その女の子"とLINEをしていた。特徴的なアイコンはこんな時にも役に立つんだなあと少し涙腺が緩んだ。


そういえば彼女と知り合ってすぐのころ、お互いなんて呼べば良いか、というとても楽しい話になり、彼女は「お父さん以外の男に下の名前で呼び捨てにされなければならない理由がわからない!」と少しだけ冗談めかして言っていた。当然僕は名字にさん付けで呼ぶことしか許されず、まあそういう考えの子もいるよな、くらいに思いそれを楽しんだ。


僕の左前に座る彼のトーク画面の中には、僕が使用することを許されなかった3文字の平仮名が確かにあった。そして登録ユーザー名(自分で自由に変えられるやつ)にいたっては、最後の一文字が違う文字になっていた。つまりすこしだけぼかしながら言うと、○○りで終わる名前が、○○ち、と登録されていた。もう言っちゃえば、さゆりではなく、さゆち、と。もちろんこれが本名でないことはすぐにわかった。彼は僕が使えなかった、いや使おうと想像もしなかった1文字を加えた4文字の平仮名を自由自在に扱い、あろうことか全く関係無いトークショーの観覧席で全て理解しきった上で僕に見せつけているかのようだった。

 

まあ、その男が「昔好きだった人」である確証が有るわけではないし、そもそもそのLINEをきっかけに付き合ったのかどうかも知らない。けれど、一人の病み上がりで繊細で独りがちな24歳をメタメタに傷つけるには十分だったわけですよ神さま!!

 

 


SZA - Supermodel

(こんなに深刻じゃないけど、今日たまたま聴いていたので、、、)