悪いのはだれ

三軒茶屋へ到着した世田谷線の中で、泥酔して意識を失った若者が寝ていた。

 

三茶は終点で折り返し地点なので、基本的に全員電車から降りなければならない。しかし彼は目覚めない。車掌は既に諦めているのか、気にとめていない。僕は到着した終電に乗り込み、しっかりと目を閉じたまま脱力しきった若者の向かいに座った。他の乗客も彼の隣をあえて選ぶことはしない中で、60か70くらいの女性が彼の隣に座った。
おばあさんは若者をゆすり、声をかけるが、若者はかたくなに目覚めようとしなかった。めげずに若者を揺するおばあさんに向かってだれかが言う。
「ほっといていいよ、自己責任だから」


同じ誰かが繰り返した。


「自己責任だよ」

 

 

 

金曜日の夜は中村佳穂の企画を見に下北沢251へ。
相変わらず最高。あのエネルギーの量というか種類はいったいどういうものなんだろう。
忘れっぽい天使〜そのいのち の流れはかなりぐっとくるものがあった。自分のいのちの使い方を問われているような気がしちゃって、直視できない&目を離せない&やめてくれ&ずっと聴かせろみたいな、矛盾&矛盾でとてもよかった。いのちは大切に使いましょう。
とりあえずお金のことを考えるのは最低限にとどめ、今の大袈裟産業からさっさと逃げ出して、もっと不本意しなくて良い環境に身を置くことだけを考えるべきだ。

 

土曜日は目覚めると、既に昼の12時を回っており、意図せずして11:30開始の英会話をバックれてしまう。−50000点
そのまま特に何もせず、母親とオバサンの買い物に付き合って新宿伊勢丹へ。最中『とんかつDJ揚げ太郎』を読んでいたので、当然のようにとんかつを食べたくなり、デパ地下で〈まい泉〉と〈和幸〉のとんかつを買う。和幸の方が衣が荒くて、全体的に肉っぽくておいしかった。

 

日曜日は午前中から雨森と勉強会というか、僕が教えて貰うだけの会合。やっぱり自分の集中力はきっかり1時間半で限界が来るんだけど、復帰の仕方を習得できていないので、作業に不向き。でも手を動かしまくる人間になりたいので、そろそろ本格的にいろいろ模索してきたい。人を動かすのは本当に趣味じゃない。
その後、飯島、トムさんと隅田川の花火に向かうつもりだったけれど、トムさん負傷により中止に。飯島と焼き肉を食べ、渋谷のRoomへ。やっぱり音楽は大きい音量で聴きたいですね。

 

自己責任と言ってしまうのは簡単だけど、そんなに単純な話なのだろうか。
そして、社会人だの社会性だのということばがさも当たり前に使われる世の中で、どれだけを自己責任を強いる意味があるのか。共同体の維持がしたいんじゃないんですか。

酔いつぶれるのはだいたいの場合において自己責任かもしれないけれど、そこに手を伸ばす人をわざわざ止める必要があるのかと思ってしまうな。

 


tofubeats -「RUN」


勇気を!