逃げだせ!DJタイム

金曜は仕事終わりに下北でルイス・コールのライブを観るつもりだったのだけど、会社を出れたのがまさかの9時過ぎ。(スタートは18:30)しかたないので第2プランとして考えていた、ウェス・アンダーソンの『犬ヶ島』を観た。ウェス(って呼ぶ?)の映画に出てくる人々(と犬)はみな、怒鳴り合わず、知的で、じゃっかん冷めていて、それでいて異常にチャーミングで。キャラクターに対してストレスを全く感じないようになっている。ぼくはアメリカの映画に出てくる、ことあるごとにに怒鳴り合う人々が嫌いなので、こういうポイントが妙に嬉しかったりもする。
舞台が日本なので、おそらく日本人だけがクスクス笑えるようなポイントもたくさん有ったりででもう当然のように最高でした。あとはやっぱり犬を飼っている身としては、単純に共感してしまうところが多いっす。音楽はアレクサンドル・デスプラ。『Shape Of Water』とかの人。トレーラーを観るとわかる通り、和楽器(主に和太鼓)がメインのモチーフとして扱われていてカッコイイ。和楽器をここまであっさり嫌みなく使うのは、日本人でも難しかったりするんじゃなかろうか。さすがにそんなこたないか。
キャラも美術もめちゃくちゃにかわいくて話も面白いので、とにかく見てくれ。


『犬ヶ島』日本オリジナル予告編

 

土曜日は妙に脱力してしまい英会話をサボった。ついにやってしまった。もうしません。反省。
最近、Oculas goというVRのヘッドマウントディスプレイ(要は頭に被るアレ)を買ったので、VRの動画を見たりゲームなんぞしているのだけれど、これが思ったよりもすごい体験だったので、是非いろんな人につけてあげたい。
『Virtual Virtual Reality』というゲームがとても面白くて、〈AIに雇用される人間〉として、クライアントであるこれまたAIに奉仕する、というディストピアものぽいゲーム。AIへの奉仕がメインではなく、雇い主のAIから逃げ出すのが本筋。ヘッドセットをつけてあっちの世界へ移動し、その上からまたつけて別の世界へ移動し、戻りたい時は外して〜、みたいな設定なので現実世界との境界がだんだんと曖昧になってきて、かなり不安になるゲームでした。


家族でウナギを食べに行ったあと、渋谷HOMEというライブハウスでエレクトロニカ系の深夜イベントがあったのでひとりで行ってみる。思っていたよりも随分小さい会場で、お客さんたちはみんな出演者と何らかのつながりがある感じだったので、身内イベントか〜って感じで頭を抱えた。ただライブが始まると案外そうでもなく、どんどんお客さんも増えてアウェイ感も無くなってよかった。ライブが終わってDJタイムみたいになってからは、案の定所在を失ってしまい3時頃逃げ出す。こういうところで友達を作れたら良いのだけれど、度胸がないので話しかけたりできないのが非常に悲しい。クラブの雰囲気はまだちょっと馴れてないので、もうちょっと場数を踏まないとですな。だれか、一緒に行ってくれる人は居ないだろうか。
ライブハウスを出て、道玄坂でラーメンを食べながら終電までどうすっぺかなとか考え、アートナイトやってたなあ、なんて思い出すもどうにも眠くて行く気になれず。あとは単純にアートナイトに対して良い思い出があまりないってのも。あれは4,5人で行かなきゃ楽しめないような。
電車もないので徒歩帰宅を試みるも、結局駒場あたりでめんどくさくなってしまいタクシーで帰宅。下北ならまだしも、渋谷から徒歩は相当コンディションが良くないと気持ちが持たないので、早く自転車を買わなければならん。

ほんでもって日曜日は、まあなにもしませんでしたな。

ジムに行って泳いだぐらいでしょうか。
最近こういう週末が多いのでちょっと考えなければならない。

 

 


Clap! Clap! - Elephant Serenade (Black Acre)

Clap! Clap!というイタリア人のソロユニット。バリとかシンガポールとか東南アジアっぽい感じの民族音楽とビートミュージックを混ぜ具合、バランスが天才的。どっちにも寄りすぎず、どっちの色も消えていないのがスゴイ。そういえば日本の伝統音楽をベースに敷いたビートミュージックって聴いたことない。誰かしらやってるんだろうけども、あんまりうまくいかなかったのかな。

 


2018グローバル・グリーン キャンペーン(音楽:SPANK HAPPY「夏の天才」 フルバージョン)


我らが最終SPANK HAPPYの新曲。
タイトル含めC2Cの『Genius』がベースになってるぽい。


C2C - Genius - HQ


2期SPANK HAPPYが好き過ぎて本気で岩澤瞳になりたかった、デカダン!!耽美!!とかそういうのを期待していた人たちはどう思っているのだろう。かなり健康的。

〈第九〉

金曜日は『GREAT HOLIDAY』でたまたま再開した樹里ちゃんと、せっかくだからと渋谷に韓国料理を食べに行った。わりに趣味が合うので(キリンじとかKIRINJIとか堀込ズとか、、、)お互いに話がわかりやすいところがある。

土曜は英会話に行き、イタリア人の巨乳先生の授業を受けた。
その後しばらく暇だったので、とりあえず下北で凪のつけ麺を食べる。つけ麺というのはどうしてこう食後の満足度が低いのだろうか。そのくせ(今日はいける気がする、、)といつも変な期待感を煽られてしまう。そしてこれは油そばにおいても同様の現象が起きがちだ。期待感と満足度の不一致。ラーメンだとそんなことは無いのだけれどな。

 

まだまだ時間があったのでどうしたものかと微妙な満足感に疲れていたところ、六本木ヒルズceroがフリーライブをやっているよ、と樹里ちゃんに教えてもらったことを思い出す。
見ていた位置が悪いのか、設備やPAが悪いのか、あの空間自体が悪いのか、それとも全部が悪いのか。とにかく音が良くなかったので、正直よくわからなかった。まあフリーライブだし六本木ヒルズのイベント用のスペースだし、これ以上求める方が欲張りというものだ。ただ、日本のミュージシャンと海外のミュージシャンとでライブを見比べた時に最もレベルの差を感じるのは、演奏技術でも曲のセンスでも無く、音作りやミックスバランスだなとよく考える。前にSnarky PuppyのオープニングアクトとしてOrgami Productionの面々を見たとき、日本の音楽シーンで実力派的な扱いになりがちな彼らでさえもこんなものなのかと相当げんなりしてしまったことが忘れられない。というか、彼らのプレイ自体は特に思うところなく普通にいつも通りライブを見ている感覚だったが、スナーキーの演奏が始まった瞬間、今までの音はどういうことだったのか、と混乱してしまった。プレイヤーのレベルの差なのか、エンジニアやPAのレベルの差なのか。気軽に大きい音を出せる環境が少ないだとか、色々な問題はあるのだろう。裏を返せばまだまだ伸びしろは有るのかも知れない。サマーソウルの時のチルな多幸感が溢れている感じはとても良かったです。

 

夜は下北のB&Bで『さよなら未来/若林恵』の出版記念トークイベントを見に行く。
みんながなんとなく思っているけれどうまく言語化できないところや、社会的な圧力がかかりやすく話を進めること自体「面倒くさい」部分に、彼はしっかりとつっこんでいき、「いやーわからねーなー」とか頭をかきながら、しっかりと時間をかけて言葉に落としていく。そして色々とぼろくそに否定しながらも、最終的には比較的前向きな答えを出すのだ。

 

「日曜日は何をしていた?」と思い出してみるも、「夕方にジムに行った以外、殆ど何もしていなかった。」という寂しい結論に至るしかなかった。その反動もあって不意に思い立ってしまい、夜中に『君の名前で僕を呼んで』を見に行く。(2回目) タイトルは『Call Me By Your Name』でもギリいけたんじゃなかろうかと思う。『コールミー・バイ・ユアネーム』うーん、カタカナはダサいか。やっぱり光の取り入れ方がとても美しく、登場人物は見事なまでに全員が美しく、そしてエリオとオリヴァーの間に生まれた「希有で特別な友情」は、何よりも美しかった。北イタリアの豊か過ぎるバカンスは、2018年において間違いなくユートピアであり、あんな生活が本当に存在しているのか疑わしいレベル。


“Mystery of Love” by Sufjan Stevens from the Call Me By Your Name Soundtrack

今日はだいきゅうを取ったので、お休みです!

 

パンツと靴下

とても長い週末だった気がする。

土曜日は夕方から渋谷のWWWXでエルメート・パスコアールを見た。
あんまり予習していなかったけど、ざっくりラテンでブラジルなジャズでした。いわゆるパスコアール像として、楽器以外の、例えば瓶とかヤカンを駆使して素晴らしい演奏をするステキなおじいちゃんのイメージが強かったので結構普通に(ものすごいレベルの)演奏しているもんだからまあそうだよな、と。

 


Hermeto Pascoal - Música da Lagoa


川の中で瓶や笛を吹いたりする御大。この動画がいつのものか判らないが、現在なんと81歳で普通にソロとったり叫んだりできるんだからすごいよな。

 

その後、秀平、森さん、まおさん、るみちゃん(卒業ぶり)と神泉で飲む。食べる。飲む。久しぶりにしっかり酔っ払った気がする。「あの人は変わっちゃったよね」みたいな話や、結婚を現実的なものとして考えたりしている人の話を聴くと、自分の相変わらずさに少しだけ不安になってくる。といっても、変化したからこそ話題に出るのであって、話題に出なかったその他大勢の共通の知り合いは、みんな大した変化を起こしていないのだ。(もしくは知られていないだけかもしれないけど。)みんなでゆっくり変わっていけば良いのではないか。良くないか。どんな形であれある程度の変化は価値であると思っているので、とりあえずこんどユニクロ以外でパンツと靴下でも買ってみようかと思います。みんなどこで買ってるのさ、パンツと靴下。

その後下北の乗り換え途中にかんとえりささんに遭遇し、なし崩し的にかんの家に。チャイルディッシュ・ガンビーノのThis is Americaとvrのエロゲとヴァーチャルユーチューバーとデジモンメダロットの話をした気がする。デジモンの最初期の映画はやっぱり名作でした。結局3時頃までだらだらしてしまい仕方なく歩いて帰る。タクシーの誘惑を断ち切ることができたのは我ながらとても偉かったっス。

 


日曜日はお昼過ぎから新木場コーストで菊地成孔主催の〈TABOOレーベル〉のレーベルイベント『GREAT HOLIDAY』に。チケットがイマイチ売れていないという話だったので、空いてるかと思ったけれど満員御礼ぎゅうぎゅうって感じでした。
菊地成孔本人への好き嫌いが分かれることに関しては非常に良くわかるのだけれど、彼の音楽やライブを形作る才能は本当に感服する。「人前に立って芸事をする」ということがいったいどういうもので、どうすればお客が喜び、興奮し、満足するか、ということを完璧に把握している。そして、そのためにできることをぬかりなく行っている。人前に立つ人間は、彼のようにあるべきだなと思います。(もちろん、それぞれのやりかたで!!)ちなみに日本人で同じ力を感じるのは、パッと思いつく限りでは椎名林檎かな。録音作品の善し悪しは別として、ライブのクオリティの半分くらいはここに集約されると思うのだ。そして、その力がもっとも発達した国がアメリカなのだろう。

上記を踏まえと、やっぱり菊地成孔の参加するバンド(ぺぺ、spank happy、DC/PRG)は全部良かった。(JAZZ DOMMUNISTERSはちょっと別)ものんくるは演奏のクオリティもライブ感も全部よかった。正直音源はあんまり聴かないけど、ものんくるのライブは本当に大好きです。
なによりなによりなによりDC/PRGが最高だったので、もうそれ以上無いっていうか、こんな恐ろしいバンドが、一度も流行ることなく20年以上存続していることにある種凄みを感じますな。Twitterで見た「世界中どこに出しても恥ずかしく無いバンド」という意見には心底同意したい。もちろんアメリカを含めて。


dCprG 2015/11/18@新宿BLAZE goes on LEVEL XXX「Franz Kafka's South Amerika」tour2015 FINAL映像

 


2017年0124 新宿BLAZE DC/PRG「HEY JOE」


実際にライブを見ないと、バンドの良さは全然伝わらないとわかりつつも、興味を持ってくれる人が増えると嬉しいので。

せっかくの5月の大型連休だったのに

4日前にOculus Goをぽちっと購入し、到着を今か今かと待ちわびているのだけれど一向に届く気配がない。荷物のトラッキングを確認すると丸2日以上江東区から動いていないみたいで、待たされた分だけ期待値が上昇し続けています。こんなに到着が待ち遠しい買い物は久しぶりかもしれない。
といっても、VR機器自体はスマホをはめる安物なら持ってるし、渋谷のVRゲームセンターみたいなところも一回行ったことあるので異次元の体験!みたいな大仰なものじゃないのはずなんだけれどな。いったい、なにがそんなに楽しみなんだろうか自分でも判らん。

 

5月の大型連休は毎年特に何をするでもなく過ぎ去ってしまうのが恒例で、今年もなんだかんだそんな感じでした。一応、遠出っぽい遠出として千葉の房総と埼玉の秩父に行ってきました。改めて字面として見ると、あまりの地味さに呆然とする。まあ比較的地味目な人間として生きてきた訳だけれど、それにしても地味である。千葉と埼玉。房総・秩父。まあそこそこ楽しかったからいいのだけども。せっかくの5月の大型連休だのに。

 

5月の大型連休中、他に何をしたか思いだそうとしてもちっとも思い出せやしない。いくつか映画を見に行ったくらいか。つくづく地味である。クラブイベントみたいなのも行ってみようかと思うも、なんとなく、特に理由もないまま行かないで終わってしまった。
5月の大型連休中見た映画は全部あたりで、中でも『リメンバー・ミー』が思っていたよりもずっとよくて、しっかり泣いてしまった。もちろん、「泣ける=良い」と考えてるわけじゃないけれど、普段泣くことがあまりにも無いものだから「泣いた」という出来事そのものが強く印象に残っているみたい。その前に映画で泣いたのは思い出せる限りだと、大学生の時に見た『ニュー・シネマ・パラダイス』だった気がする。どっちもベタで超良かった。

 

さっき銀行の口座と月末のクレカの引き落とし額を確認し、どうしてこんなに金がないのだろう、と頭を傾けてみた(傾けても、特に何も起きなかった)。毎月の収入が少なすぎることに目をつむっても、ちょっとお金がなさ過ぎるのではなかろうかと。みんなだいたいどのくらいの収支でやりくりしているのか知りたい。oculusとか買ったりしないのか?たばこもギャンブルもやらないのに!!まあなんにせよ、お金を稼ぐ能力があまりに低いのが原因である気はしているので、適当に石油でも掘り当ててどげんとせんといかんなあ。

 

 


「わたしが一番きれいだったとき」小田朋美(vo)三枝伸太郎(p)


小田朋美が特別好きかと言われると多分そうでもなくて、谷川俊太郎茨木のり子の、所謂詩人が作る、歌にすることを前提としていない(ように思える)詩にメロディをつけて曲にしているのが、自分にはどうにもしっくりこない。ただ、逆を言えば世の中に存在する音楽の〈詞〉は曲のリズムやメロディのために作られているものが殆どで、例えば詞が先にできて後からメロディをつけて、、、みたいなやり方の人でも、あくまで音楽の構成要素として詞を生み出しているということがよくわかる。対して、一般的に〈詩〉と呼ばれるものの方は、音読こそすれどメロディに乗ることを意識していないので、曲にしたときに少し違和感が残る。〈詞〉として作られていない言葉を曲に乗せる、というのは多分昔からずっとチャレンジされてきたことなんだろうな、と思うけれどやっぱりめぼしい作品はない。(気づいてないだけかも知れないけど、少なくともぱっとは思いつかない。)
文学作品の一節だけを丸っと曲にしちゃうとか、あるのかな。

小田朋美の作る曲は真昼に聴きたくなるものが殆どで、詞は関係なしに、だいたい草原と曇り空を想起する。多分伴奏のピアノがどれもゴリゴリにクラシック調であるせいだと思う。意外と、昼間に聴きたい音楽にはあんまり出会わないので、結構重宝してます。

 


Manami Kakudo | 角銅真実 ー 窓から見える (I Can See It From The Window)


こっちも昼間に聴きたくなる曲。
足下のおぼつかない感じのメロディと少しだけ入ってる歌声がここちよいです。