東京の東

東京の〈西側〉と(東側〉とでは、街の雰囲気が違いすぎる。

幼稚園に通っていたころから現在に至るまで、僕の生活の殆どは東京の西側で行われている。幼稚園、小学校、中高大学に至るまでだいたい似たような地域で完結させ、出かけるとなれば渋谷か新宿(まあこれは仕方ないかもしれないけど。)完全に根を下ろしてしまっている実感がある。
対して東側はその生活の隙間隙間に入りこむ、ちょっとしたイベントのような役割を果たしていた。母の実家が葛飾区の立石にあったので、小さい頃は毎週末家族で遊びに行っていたのを憶えている。その立石の家は既に取り壊されてしまっているが、墓参りや法事の時は蔵前のお寺に行くので今でも少しだけ特別な地域という認識がある。
高校生のころ、一時期妙に隅田川に通い詰める時期があり(今でも大好きだが)毎週末自転車で月島のあたりをうろうろしていた。

 

土曜日は渋谷のシネパレスで『ダンガル』を見た後、あーや、奥田、ノンタン門前仲町で焼き肉を食べたる。その後近くの缶詰バーに移動し、だし巻き卵の缶詰などを食べた。
東京の〈西側〉、例えば下北とか、吉祥寺とかが一つの街としてパッケージングされその地域に見合うようなお店や企業が存在しているのに対して、門前仲町などの〈東側〉は一つ一つの商店、会社、道路が集合することによって、街としての形をなしているように見える。なのでざっくり〈西側〉と区分したとしても、色んなタイプの町があるのでどんな感じであるか、と一概に決めつけることができない。しかし東側は《個の集合》によって形作られているので、どこを切り出してもだいたい似たような雰囲気がする。いろんな色を混ぜるていると結局黒になってしまうのと似ている。

 

東側の建物はだいたい新旧の2タイプに分けることが出来ると思っている。
一つ目は、小さな事務所や雑居ビル、個人経営の居酒屋と、やたらと電飾の数が多いパチンコ店など。いかにも『昭和』と言った感じのオールドスクーラーたち。
それに対するは、湾岸エリアのタワーマンション、おしゃれなカフェ、そしてベンチャー系企業のニュースクーラー達。そして新旧どちらも「個人」の色が強い。
この新旧の隔たりは大きい。というか、その中間に位置する(と勝手に考えている)、マクドナルド、TSUTAYAなどチェーンのお店の力が弱いように見える。いや、実際に売り上げや店舗数は西側と比べても大して違わないのだろうけれど、景観として街の中に馴染むことができていないように見えるのだ。(今更だけども、ここまで書いた内容全てが僕の感想(見える、思える)でしかないのは、どうなのだろうか。別にいいか、ブログだし。)
逆に言えば、西側の存在する街の大枠を構成しているのは「チェーンの店舗」なのかも知れない。個人によって作られる東に対して、大企業によって作られる西側だ。

 

日曜はかん、かんの彼女のえりささん、ICUつながりで陣内さん、たけたけさん、えりささんの中高の時の友達の、いずみさん、ひろなさん、わっしーで井の頭公園で花見→陣内さんの家で人生ゲーム→かんの家でレトルトカレー&ハヤシライス食べ比べを行う。
奇跡的にギリギリ桜は残っていたので、お花見と書いてもまあ大丈夫なはず。友達の友達同士が集まって飲んだりする、なんだか若者然とした一日だったけれど、こういうのもたまには良いですな。それにしても楽しかったし疲れた。

 

今週はせっかくなので、2曲ともかんに教えて貰った曲で、2曲とも僕が馬喰横町(東側の町)で働いていた時ヘビロテしていたものに。


柴田聡子-いきすぎた友達MV

いきすぎた友達/柴田聡子

 

他の曲はイマイチピンと来ないのだけれど、この曲は大好きです。最初から最後までずーっと彼女のおもしろすぎる作り話を聴いているような気分。本当か嘘かなんて、どっちでも良いじゃないの。

 


イ・ラン − 世界中の人々が私を憎みはじめた

世界中の人々が私を憎みはじめた/イ・ラン


韓国のシンガーソングライター。韓国語がこんなに美しい音の言語だということを初めて知った曲。所謂K-POPアイドルもの以外で、韓国の音楽とふれあう機会が殆ど存在しない日本そして東京だけど、R&B ヒップホップ先進国である韓国にもこんなアコースティックのステキな音楽があるのです。韓国のグラミー賞と言われる、「韓国大衆音楽賞」を受賞し、その場で盾だかメダルだかをオークション形式で売り払ってしまったニュースが少しだけ話題になったひと。貧しい国の芸術家はやっぱり相当苦しいよなーと思うと同時に、「素晴らしい作品に対して正当な評価を与える」という点において、日本は相当遅れをとっているように思う。というか構造的に永遠に行き着かないのではないんだろうな。芸能プロダクションが没落する日はくるのだろうか。(そしてそれは本当に芸能の日の出になりうるのだろうか???)

日本アカデミー賞日本レコード大賞も、毎年心待ちにしている日本人がいったい何人いるんだろう。